CASE
事例紹介詳細
KB’S WEB Vol.54 2024
安定的な経営に活かす、5つのサロンの特色と取り組み
「価格がある程度高くても効果が高いもの・コトを取り入れたい」が、現在の美容トレンド。近年はSNS上でサロンの仕上がり投稿や、美容インフルエンサーのPR投稿が増加しており、髪質改善などの施術やサロン専売品の情報などがお客様へ認知され、知識を持つ方が増えたことで関心が高まっているといえそうです。今回は、プレミアムヘアケア特集として関東・東海の5カ所のサロンに取材し、高評価を得ているメニュや取り組み、商材の採用理由、サロン経営にもたらした効果などをご紹介します。
Santa’Fe 岐阜島店
店長 広瀬 丈彰さん
名古屋を中心に直営3店舗、FC4店舗を構える「サンタフェ」は髪の変化が気になる40代〜50代の女性向けに特化したサロン。今後の40代以降の美容ニーズの高まりを見据えたブランド誕生から約1年半、業界で注目を集めています。
従来の白髪染めの課題を解決する独自メソッド「ミッドグレイス」はカラーの自由度が高く髪質も美しくなると好評。スタッフの多くは30代以上のパートタイマーで、お客様の悩みに自分ごととして寄り添える世代です。
「どの店舗でも・誰でも同様に質が高いサービスを提供できる体制を整えています。特に重視しているのがカウンセリング。『長期的なスパンで考え、髪を一緒に育てる』私たちの施術をお客様が心から望んでいたくため、最適な内容や流れを設計しています」(広瀬さん)。初来店向けには1万円台前半のクーポンを発行していますが、多くのお客様が納得しトリートメントを追加。単価4万円以上のお客様も一定数存在します。
導入しているのはミルボンのオージュア。「お客様に合わせて薬剤を調整できるところや、バリエーションの多さも魅力ですが、ソムリエ制度がありスタッフが専門性を高められるのはオージュアならでは。教育面で大きなメリットがあります」
こまめな施術が必要となる白髪ケアは、来店時に次回予約をとる方が大半。「リピート率が高く、1ヶ月半〜2ヶ月先の予約が入るので、スタッフのワークライフバランスの向上にもつながっています」
岐阜県岐阜市菅生8-2-10 ウメダビル1階西号室
058-215-9669
https://santafe-salon.com
Felia 清水店
副店長 山中 裕也さん
清水区で20年以上続く美容室「Felia」では約5年前にウエラのシステムプロフェッショナルを導入。髪の変化に悩みやすい30代〜50代の主婦層の人気を集めています。
しかし、初回の来店はカットやカラーという方が多数。スタッフも積極的な販売はしていないといいます。2回目で「良い髪型になれたから髪質にもこだわりたい」とトリートメントを希望、その効果に納得してリピートという流れができてきます。
「私たちが重視しているのはお客様が「今」お持ちの悩みへのアプローチ。ウエラは髪の広がりや猫毛、切れ毛など課題別に豊富なラインナップがあり、解決策として提示しやすいです。当サロンではカラー材なども含めてウエラで統一しているため、他の施術との相性も良く、説得力もあります。最近はケアのためだけに来店する方も増えていますね」(山中さん)
ウエラは歴史があるため認知度が高く、すでに自宅用でシャンプーなどを使用している方も多いそう。その安心感をベースとした「最上級のサロンケア」であることが興味を惹いています。
「子育て中のお客様も多いので、クオリティは保ちながら時間をかけ過ぎず負担感を減らした施術を目指しています。効率良く動く、施術をシャンプー台で完結させるなど工夫を積み重ね、工程を検証してきました」
今年は2店舗目が開店、スタッフの異動や採用もありますが、ウエラが開催するカラーやトリートメントの研修などのサポートも活用しています。
Felia 清水店
静岡県静岡市清水区今泉152-1
054-349-0155
http://www.gm-c.co.jp/shimizu/
美容室クラフト富里店
取締役 中田 祐志さん
千葉県内を中心に茨城・台北など合計11店舗を展開する「CRAFT」。スタイリストの育成アカデミーを設置し、全社を挙げての技術向上やトレンドへの対応に注力しています。近年は、カラーリングや髪質改善や酸性ストレートなどメニューの多様化とともに、ヘアケアのニーズが高まってきたといいます。
「私たちが目指すのは『365日サロンクオリティ』。サロン来店日以外の約360日も美しい髪を叶えるのがホームケアとお伝えします」(中田さん)。店販では複数の価格帯のブランドを用意しており、お客様に人気なのはケラスターゼ。
「サロンで使うシャンプーは複数のブランドを季節や環境によって変え、コミュニケーションのきっかけにしているのですが、ケラスターゼは香りが良く、変化に気づかれやすい。シャンプーの種類を聞かれることが多く、そこから自然な流れで商品の特徴や良さを説明でき、トリートメント施術や店販につなげられています」。最初は比較的安価なサロンのPBを購入した方が、より良いヘアケアを求めケラスターゼに移行することも多いそうです。
常連のお客様が多い中で重視しているのはカウンセリング。「カラーやストレートなどスタイルチェンジをしたことで新たな悩みが生まれることがあります。それを真正面から受け止めて具体的な対策を提案するのですが、ケアアイテムは日々進化しているもの。スタッフも自分でサロン商材を使用して、メーカーの情報収集も積極的に行なっています」
美容室クラフト富里店
千葉県富里市七栄474-5
0476-90-2007
https://www.total-beauty-craft.com
Navile GINZA
総代表 小林 綾太さん
都内に3店舗を構える髪質改善特化型のサロンNaville。メインの客層は20代後半〜30代で、昨年オープンした銀座店には首都圏を中心に遠方からも顧客が訪れます。
「現在、お客さまの9割がトリートメント、8割が縮毛矯正を受けています。前はトリートメント5割、縮毛矯正2割だったので大幅に伸びました。以前はサロンとして統一したブランディングはせず、スタイリストそれぞれに任せていたのですが、コロナ禍をきっかけに長期的に継続できるサロンの強みを作りたいと考え、私が得意な髪質改善を全スタッフが同様のクオリティでできるよう強化しました」(小林さん)
そのタイミングからアマトラを導入、店販を含め高評価を得ています。
「特定のメーカーにこだわらず良いものを探す中で、アマトラのリンゴ幹細胞トリートメントと水素ミネコラの組み合わせにたどりつきました。サラッとした軽さがありながらもまとまりが良いため、縮毛矯正との相性が良く時間が経っても効果が持続すると好評です。これまで『癖毛だからショートにできない』『広がるので伸ばしづらい』などと悩んでいた方に対するデザイン提案の幅も広がりました」
施術時間は約3時間程度ですが、以前と比較すると客単価は平均で約2倍、銀座店では2万2000円となり経営面でもメリットは高いといえます。縮毛矯正をメニューの主軸とすることで差別化を図ってきたNaville。今後はニーズが高い地方へのサロン展開も検討しています。
Navile GINZA
東京都中央区銀座1-20-11 Boru G1 4F
03-5579-9086
LIANCA
スタイリスト 中口 円香さん(右)・kikoriさん(左)
「荻窪」駅近くのLIANCAは「半歩先をいく女性」がテーマ。ナチュラルな雰囲気の仕上がりを求める20代〜50代女性が客層の中心です。今年の3月から髪質改善を含めたメニューを開始したばかりですが、半年間で多くのリピーターを集めています。
「常連の方が多く、飽きないよう新たなメニューを模索していた時期に、HITAの髪質改善に出会い、スタッフ自身が試し導入を決めました。カラーと同時施術ができるので、髪質改善カラーとして打ち出しています」(中口さん・kikoriさん)
LIANCAの顧客は外国人風のハイトーンカラーや、暗めでも透明感のある韓国風カラーを求める方が多く、スタッフ自身もそのようなカラーを取り入れているため、よりお客様の関心が高いようです。
HITAはカラーの間にトリートメントの工程を何度か挟むため施術時間は長くなりますが、予約数を絞りお客様の待ち時間を減らすなどの工夫を実施。工程は多い一方で時間管理はしやすく、アシスタントとも分業しやすいので効率は良いそうです。
ケアメニューとしては水素トリートメントも人気。「HITAとは違うタイプの仕上がりで質感がしっかりするので、エイジングによる変化が気になる方や、ナチュラルなスタイルを求める方におすすめしています。HITAと併用する方も増えています」
いずれの施術も数回繰り返すことでより効果が高まり、髪が徐々に変化。「お客様が『この髪質ではできない』と諦めていた施術ができるということも多く、喜んでいただけています」
LIANCA
東京都杉並区荻窪5-8-12 MYビルディング
03-5335-7131
https://www.lianca-hairsalon.co.jp/
「美髪」は年齢や流行を問わず、今後も長期的に・継続したニーズが期待できる分野といえるでしょう。トレンドのスタイルとの組み合わせや技術の進化に対応していくことで、顧客満足度の向上につながりそうです。
全サロンで、プレミアムヘアケアがリピートや売上増につながる
5つのサロンに共通して、1度プレミアムヘアケアを体験したお客様のリピート率は非常に高いという傾向がありました。物価高騰もありコスパが重視される今であってもプレミアムヘアケアは「お金を払う価値がある」と評価されているのです。特に「縮毛矯正やブリーチは髪が痛む」というイメージを持つミドルエイジ世代にとっては、薬剤やヘアケアの進化が驚きと感動をもたらしており、新たなスタイルに挑戦する方も増えています。
もうひとつ、5つのサロンの共通点として挙げられるのが、プレミアムヘアケアを受けることで、お客様の美容に対する意識がより高まり、来店頻度や店販の売上増につながっているということです。ヘアケアは一度で綺麗になる魔法ではなく、継続的な施術や質の高いホームケアが必要、という理解が進んでいます。
「美しい髪」は時代やトレンドにとらわれない普遍的なニーズであり、プレミアムヘアケアは安定的な経営のカギといえるでしょう。
KB'S WEB Vol.54 2024
- ニーズが高まるプレミアムヘアケアの現在地
- KIKU FES
- きくや美粧堂が提供するサービス
- NEW TOPICS